本日は、休職制度のお話です。
労基法などの法令に定められた制度ではないのですが、正社員の就業規則では、ほぼ例外なく、休職に関する条文が置かれています。
特に多いのは、業務外の傷病で勤務できない場合の休職(傷病休職)と、刑事事件で訴追された場合の休職(起訴休職)です。
傷病休職はとても論点が多いので、とりあえず起訴休職から見ていきましょう。
典型的な就業規則の条文は、次のようなものです。
第〇〇条 職員が次の各号の一に該当するときは、休職を命じることがある。
⑴ 刑事事件により起訴されたとき
⑵ 略
犯罪の嫌疑を受けて刑事裁判になった者を職務に従事させることは適切でない、あるいは勾留されていて出勤できないということで、刑事裁判が終わるまでの間、職務を免じて出勤を禁止する、というものです。
労働法の世界では、ノーワーク・ノーペイが原則なので、起訴休職の期間中は無給とすることが多いようです。
ところで、刑事裁判になる前には、必ず警察・検察による捜査が行われます。
捜査の過程で、逮捕・勾留されると、当然ながら出勤することができなくなります。
起訴された後は起訴休職にすればいいのですが、起訴前の逮捕・勾留で出勤できない人の勤怠はどうしたらいいのでしょう。
留置場での面会などで本人の意向を確認できるなら、年次有給休暇で処理することも可能です。
が、本人と話ができない場合や、年休を使い切っている場合には、この処理ができません。
そうすると、起訴又は釈放されるまでの間、欠勤とせざるを得ません。
個人的には、起訴休職の要件を、「刑事事件により起訴されたとき」より広くして、「刑事事件により逮捕、勾留又は起訴されたとき」とした方がいいのではないか、と思っています。
この条文なら、逮捕されたらすぐに休職を発令できるので、勤怠で悩むことがなくなります。
逮捕・勾留で年休を使い切ってしまうと、本人としても悲しいでしょうし(人違いなどの誤認逮捕の場合は、特にかわいそうです)、何かのついでがあれば、起訴休職の条文の変更を検討してもいいんじゃないかな、と思います。
執筆:弁護士 小國隆輔
※個別のご依頼、法律顧問のご相談などは、当事務所ウェブサイトのお問い合わせフォームからどうぞ。
労基法などの法令に定められた制度ではないのですが、正社員の就業規則では、ほぼ例外なく、休職に関する条文が置かれています。
特に多いのは、業務外の傷病で勤務できない場合の休職(傷病休職)と、刑事事件で訴追された場合の休職(起訴休職)です。
傷病休職はとても論点が多いので、とりあえず起訴休職から見ていきましょう。
典型的な就業規則の条文は、次のようなものです。
第〇〇条 職員が次の各号の一に該当するときは、休職を命じることがある。
⑴ 刑事事件により起訴されたとき
⑵ 略
犯罪の嫌疑を受けて刑事裁判になった者を職務に従事させることは適切でない、あるいは勾留されていて出勤できないということで、刑事裁判が終わるまでの間、職務を免じて出勤を禁止する、というものです。
労働法の世界では、ノーワーク・ノーペイが原則なので、起訴休職の期間中は無給とすることが多いようです。
ところで、刑事裁判になる前には、必ず警察・検察による捜査が行われます。
捜査の過程で、逮捕・勾留されると、当然ながら出勤することができなくなります。
起訴された後は起訴休職にすればいいのですが、起訴前の逮捕・勾留で出勤できない人の勤怠はどうしたらいいのでしょう。
留置場での面会などで本人の意向を確認できるなら、年次有給休暇で処理することも可能です。
が、本人と話ができない場合や、年休を使い切っている場合には、この処理ができません。
そうすると、起訴又は釈放されるまでの間、欠勤とせざるを得ません。
個人的には、起訴休職の要件を、「刑事事件により起訴されたとき」より広くして、「刑事事件により逮捕、勾留又は起訴されたとき」とした方がいいのではないか、と思っています。
この条文なら、逮捕されたらすぐに休職を発令できるので、勤怠で悩むことがなくなります。
逮捕・勾留で年休を使い切ってしまうと、本人としても悲しいでしょうし(人違いなどの誤認逮捕の場合は、特にかわいそうです)、何かのついでがあれば、起訴休職の条文の変更を検討してもいいんじゃないかな、と思います。
執筆:弁護士 小國隆輔
※個別のご依頼、法律顧問のご相談などは、当事務所ウェブサイトのお問い合わせフォームからどうぞ。