本日も、寄附行為作成例の附則の条文を見ていこうと思います。
とりあえず、附則2項の条文を貼り付けましょう。
2 この寄附行為の施行の際現に在任する役員及び評議員の
定数、資格及び構成については、令和7年度の定時評議員
会の終結の時までは、なお従前の例による。この場合にお
いて、評議員のうちから、この寄附行為の定めるところに
より選任された理事については、当該終結の時に、この法
人と協議の上、理事又は評議員のいずれかを辞任しなけれ
ばならない。
まず、第1文から考えてみましょう。
改正法では、理事・監事・評議員の欠格事由が増えますし、特別利害関係人の就任制限のルールが追加されますし、理事と評議員の兼職が禁止されます。
また、評議員の最低数が、理事の2倍超から、理事より多ければいいというルールに変わります。
要するに、現在の理事・監事・評議員の構成のままだと、改正私学法に違反する可能性が高いわけですね。
改正法施行(令和7年4月1日午前0時)と同時に新ルールを適用すると、全学校法人で改正法違反状態になってしまいます。
そこで、改正法では、理事・監事・評議員の資格・構成に関する新ルールは、令和7年の定時評議員会終結時から適用するという経過措置が設けられています。
寄附行為作成例の附則2項の第1文は、この経過措置に沿った内容を定めるものです。
ちなみに、第1文には、「定数」という文字があります。
昨年11月版の寄附行為作成例にはなかった文字なのですが、その後の再改正で加筆されました。
ほとんどの学校法人で、理事や評議員の定数の変更(特に、評議員の定数削減)を予定されています。
この場合、定数に関する新寄附行為の条文を令和7年4月1日午前0時に適用すると、理事・評議員の定数オーバーが生じてしまいます。
令和7年定時評議員会で新しい理事・評議員の体制をスタートさせるのであれば、附則に「定数」の文字を追加して、定時評議員会終結までは現体制を継続させることとなります。
昨年11月版の寄附行為作成例をもとに寄附行為の改正作業を進めている学校法人では、附則に「定数」の文字があるか、要確認ですね。
長くなってしまったので、附則2項の第2文は、次の記事で考えてみようと思います。
執筆:弁護士 小國隆輔
<以下宣伝>
★実務 私立学校法★
著者:小國隆輔/著 定価8,800円税込
判型:A5判 ページ数:720頁
発刊年月:2024年5月刊
実務 私立学校法 [ 小國隆輔 ]
とりあえず、附則2項の条文を貼り付けましょう。
2 この寄附行為の施行の際現に在任する役員及び評議員の
定数、資格及び構成については、令和7年度の定時評議員
会の終結の時までは、なお従前の例による。この場合にお
いて、評議員のうちから、この寄附行為の定めるところに
より選任された理事については、当該終結の時に、この法
人と協議の上、理事又は評議員のいずれかを辞任しなけれ
ばならない。
まず、第1文から考えてみましょう。
改正法では、理事・監事・評議員の欠格事由が増えますし、特別利害関係人の就任制限のルールが追加されますし、理事と評議員の兼職が禁止されます。
また、評議員の最低数が、理事の2倍超から、理事より多ければいいというルールに変わります。
要するに、現在の理事・監事・評議員の構成のままだと、改正私学法に違反する可能性が高いわけですね。
改正法施行(令和7年4月1日午前0時)と同時に新ルールを適用すると、全学校法人で改正法違反状態になってしまいます。
そこで、改正法では、理事・監事・評議員の資格・構成に関する新ルールは、令和7年の定時評議員会終結時から適用するという経過措置が設けられています。
寄附行為作成例の附則2項の第1文は、この経過措置に沿った内容を定めるものです。
ちなみに、第1文には、「定数」という文字があります。
昨年11月版の寄附行為作成例にはなかった文字なのですが、その後の再改正で加筆されました。
ほとんどの学校法人で、理事や評議員の定数の変更(特に、評議員の定数削減)を予定されています。
この場合、定数に関する新寄附行為の条文を令和7年4月1日午前0時に適用すると、理事・評議員の定数オーバーが生じてしまいます。
令和7年定時評議員会で新しい理事・評議員の体制をスタートさせるのであれば、附則に「定数」の文字を追加して、定時評議員会終結までは現体制を継続させることとなります。
昨年11月版の寄附行為作成例をもとに寄附行為の改正作業を進めている学校法人では、附則に「定数」の文字があるか、要確認ですね。
長くなってしまったので、附則2項の第2文は、次の記事で考えてみようと思います。
執筆:弁護士 小國隆輔
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著者:小國隆輔/著 定価8,800円税込
判型:A5判 ページ数:720頁
発刊年月:2024年5月刊
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