本日は、評議員会の招集について、寄附行為施行細則に定めてみようと思います。
まず、寄附行為作成例42条を確認しておきます。
2項と3項は評議員による招集請求等の条文なので、本日は割愛です。
(招集)
第42条 評議員会は、法令に別段の定めがある場合を除き、理事会の
決議に基づき理事長が招集する。
2~3 略
4 評議員会を招集する場合には、理事会において、次に掲げる
事項を定め、評議員に対し、書面又は電磁的方法(評議員の承諾を
得た場合に限る。)により通知しなければならない。
一 会議の日時及び場所
二 会議の目的である事項があるときは、当該事項
三 会議の目的である事項に係る議案(当該目的である事項が議案と
なるものを除く。)について、議案が確定しているときはその概要、
議案が確定していないときはその旨
四 私立学校法施行規則で定める事項
5 前項の通知は、会議の1週間前までに発しなければならない。
理事会の招集の条文(作成例18条)と比べると、理事長が欠けたとき又は理事長に事故があるときの取扱いが定められていません。
このような場合に評議員会を開きたいのであれば、各理事が理事会を招集し、理事会で新しい理事長を選定して、新理事長が評議員会を招集することとなります。
評議員会の招集について寄附行為施行細則に定めるべき内容は、理事会の招集とあまり変わりません。
例えば、次のような条文を置いておけばよいのだろうと思います。
(評議員会の招集)
第××条 評議員会の招集は、次のいずれかの方法で通知するものとする。
ただし、第2号及び第3号の方法は、当該評議員が書面又は情報通信技術を
利用した方法で承諾した場合に限り用いることができる。
(1) 文書を交付又は送付する方法
(2) pdfファイルを電子メールで送信する方法
(3) △△クラウドにアップロードしたpdfファイルを各理事が
ダウンロードする方法
2 前項第2号及び第3号のpdfファイルは、印刷できる設定にしなければ
ならない。
3 評議員は、第1項但書の承諾を、いつでも、書面又は情報通信技術を
利用した方法によって撤回することができる。
4 寄附行為第42条第5項の「会議の1週間前まで」とは、招集通知を発した
日と会議の日の間に、7日以上あることをいうものとする。
5 前各項の規定は、寄附行為第43条第1項又は第44条第1項に基づき、
評議員又は監事が評議員会を招集する場合に準用する。
細かい話ばかりですが、理事会の招集と異なる点は、次のとおりです。
・評議員に対して電磁的方法で招集を通知するには、個別に承諾を得る
ことが必要(第1項但書)
・評議員は、その承諾をいつでも撤回することができる(第3項)
・評議員又は監事が招集する場合のフォローが必要(第5項)
ちなみに、「情報通信技術を利用した方法」は、要するに電磁的方法と同じです。
法令用語に合わせて「情報通信技術を利用した方法」と記載しましたが、細則の表記は「電磁的方法」に統一しても構いません。
あとはお好みですが、評議員会の招集が理事会決議事項となったことに対応して、次のような条文を置いてもよいと思います。
(評議員会の招集に係る理事会の決議)
第××条 理事会決議によって評議員会の招集を決定した後、次の事項に
変更があった場合、再度理事会で決議しなければならない。
(1) 会議の日時及び場所
(2) 会議の目的である事項
(3) 会議の目的である事項に係る議案が確定していたときは、当該議案
(4) 私立学校法施行規則第20条各号に定める事項
だいぶ長くなってきたので、本日の記事はここまでにしようと思います。
執筆:弁護士 小國隆輔
<以下宣伝>
★実務 私立学校法★
著者:小國隆輔/著 定価8,800円税込
判型:A5判 ページ数:720頁
発刊年月:2024年5月刊
実務 私立学校法 [ 小國隆輔 ]
まず、寄附行為作成例42条を確認しておきます。
2項と3項は評議員による招集請求等の条文なので、本日は割愛です。
(招集)
第42条 評議員会は、法令に別段の定めがある場合を除き、理事会の
決議に基づき理事長が招集する。
2~3 略
4 評議員会を招集する場合には、理事会において、次に掲げる
事項を定め、評議員に対し、書面又は電磁的方法(評議員の承諾を
得た場合に限る。)により通知しなければならない。
一 会議の日時及び場所
二 会議の目的である事項があるときは、当該事項
三 会議の目的である事項に係る議案(当該目的である事項が議案と
なるものを除く。)について、議案が確定しているときはその概要、
議案が確定していないときはその旨
四 私立学校法施行規則で定める事項
5 前項の通知は、会議の1週間前までに発しなければならない。
理事会の招集の条文(作成例18条)と比べると、理事長が欠けたとき又は理事長に事故があるときの取扱いが定められていません。
このような場合に評議員会を開きたいのであれば、各理事が理事会を招集し、理事会で新しい理事長を選定して、新理事長が評議員会を招集することとなります。
評議員会の招集について寄附行為施行細則に定めるべき内容は、理事会の招集とあまり変わりません。
例えば、次のような条文を置いておけばよいのだろうと思います。
(評議員会の招集)
第××条 評議員会の招集は、次のいずれかの方法で通知するものとする。
ただし、第2号及び第3号の方法は、当該評議員が書面又は情報通信技術を
利用した方法で承諾した場合に限り用いることができる。
(1) 文書を交付又は送付する方法
(2) pdfファイルを電子メールで送信する方法
(3) △△クラウドにアップロードしたpdfファイルを各理事が
ダウンロードする方法
2 前項第2号及び第3号のpdfファイルは、印刷できる設定にしなければ
ならない。
3 評議員は、第1項但書の承諾を、いつでも、書面又は情報通信技術を
利用した方法によって撤回することができる。
4 寄附行為第42条第5項の「会議の1週間前まで」とは、招集通知を発した
日と会議の日の間に、7日以上あることをいうものとする。
5 前各項の規定は、寄附行為第43条第1項又は第44条第1項に基づき、
評議員又は監事が評議員会を招集する場合に準用する。
細かい話ばかりですが、理事会の招集と異なる点は、次のとおりです。
・評議員に対して電磁的方法で招集を通知するには、個別に承諾を得る
ことが必要(第1項但書)
・評議員は、その承諾をいつでも撤回することができる(第3項)
・評議員又は監事が招集する場合のフォローが必要(第5項)
ちなみに、「情報通信技術を利用した方法」は、要するに電磁的方法と同じです。
法令用語に合わせて「情報通信技術を利用した方法」と記載しましたが、細則の表記は「電磁的方法」に統一しても構いません。
あとはお好みですが、評議員会の招集が理事会決議事項となったことに対応して、次のような条文を置いてもよいと思います。
(評議員会の招集に係る理事会の決議)
第××条 理事会決議によって評議員会の招集を決定した後、次の事項に
変更があった場合、再度理事会で決議しなければならない。
(1) 会議の日時及び場所
(2) 会議の目的である事項
(3) 会議の目的である事項に係る議案が確定していたときは、当該議案
(4) 私立学校法施行規則第20条各号に定める事項
だいぶ長くなってきたので、本日の記事はここまでにしようと思います。
執筆:弁護士 小國隆輔
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著者:小國隆輔/著 定価8,800円税込
判型:A5判 ページ数:720頁
発刊年月:2024年5月刊
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