個人的にバタバタしており、ブログの更新をさぼってました。
しばらくの間、更新が不規則になりそうですが、引き続きお付き合いくださいませ。
最近、世間では総裁選挙だか代表選挙だかで盛り上がっていますね。
50歳前後の人々が若手扱いされているあたり、この国って大丈夫なんでしょうか。
それはさておき、学校法人でも、学長、校長、理事、理事長などを選挙で選んでいるところがあります。
改正法のもとで、学長、校長、理事、理事長を選挙で選ぶことは可能でしょうか。
まず、学長・校長から。
改正法36条3項3号で、「校長その他の重要な役割を担う職員の選任」は理事会決議事項とされています。
つまり、選挙で当選した人が学長・校長になる、という枠組みは、私学法違反です。
どうしても選挙をしたければ、理事会は選挙結果を参酌して学長・校長を選任する、といったあたりが限界でしょう。
では、理事はどうでしょうか。
改正法30条1項を見ると、理事選任機関による選任以外に、理事を選任する手段はありません。
つまり、選挙で当選しただけで理事に選任されるという枠組みは、私学法違反です。
どうしても選挙をしたければ、理事会・評議員会・第三者機関などを理事選任機関としたうえで、理事選任機関は選挙結果を参酌して理事を選任するとか、得票数上位〇名のうちから理事を選任する、といった枠組みにする必要があります。
最後に、理事長はどうでしょうか。
改正法37条1項は、理事長は、「寄附行為をもつて定めるところにより、理事のうちから、理事会が選定する。」と定めています。
理事会決議で理事長を選定するので、理事を選挙権者とする選挙(要するに投票による採決)をすることは、おそらく可能です。
巷では、多人数による投票で決めることが民主的である、という議論もあるようですが、学校法人内の役職を決める手続きが民主的であればよいというのは、論理必然ではありません。
学長・校長・理事・理事長は、学校法人運営のために適材適所の人選をすべきという場面です。
納税者が、自分たちの税金の使途を決める者を自分たちで選ぶ、という場面とは異なる点は、意識されてもいいように思います。
執筆:弁護士 小國隆輔
<以下宣伝>
★実務 私立学校法★
著者:小國隆輔/著 定価8,800円税込
判型:A5判 ページ数:720頁
発刊年月:2024年5月刊
実務 私立学校法 [ 小國隆輔 ]
しばらくの間、更新が不規則になりそうですが、引き続きお付き合いくださいませ。
最近、世間では総裁選挙だか代表選挙だかで盛り上がっていますね。
50歳前後の人々が若手扱いされているあたり、この国って大丈夫なんでしょうか。
それはさておき、学校法人でも、学長、校長、理事、理事長などを選挙で選んでいるところがあります。
改正法のもとで、学長、校長、理事、理事長を選挙で選ぶことは可能でしょうか。
まず、学長・校長から。
改正法36条3項3号で、「校長その他の重要な役割を担う職員の選任」は理事会決議事項とされています。
つまり、選挙で当選した人が学長・校長になる、という枠組みは、私学法違反です。
どうしても選挙をしたければ、理事会は選挙結果を参酌して学長・校長を選任する、といったあたりが限界でしょう。
では、理事はどうでしょうか。
改正法30条1項を見ると、理事選任機関による選任以外に、理事を選任する手段はありません。
つまり、選挙で当選しただけで理事に選任されるという枠組みは、私学法違反です。
どうしても選挙をしたければ、理事会・評議員会・第三者機関などを理事選任機関としたうえで、理事選任機関は選挙結果を参酌して理事を選任するとか、得票数上位〇名のうちから理事を選任する、といった枠組みにする必要があります。
最後に、理事長はどうでしょうか。
改正法37条1項は、理事長は、「寄附行為をもつて定めるところにより、理事のうちから、理事会が選定する。」と定めています。
理事会決議で理事長を選定するので、理事を選挙権者とする選挙(要するに投票による採決)をすることは、おそらく可能です。
巷では、多人数による投票で決めることが民主的である、という議論もあるようですが、学校法人内の役職を決める手続きが民主的であればよいというのは、論理必然ではありません。
学長・校長・理事・理事長は、学校法人運営のために適材適所の人選をすべきという場面です。
納税者が、自分たちの税金の使途を決める者を自分たちで選ぶ、という場面とは異なる点は、意識されてもいいように思います。
執筆:弁護士 小國隆輔
<以下宣伝>
★実務 私立学校法★
著者:小國隆輔/著 定価8,800円税込
判型:A5判 ページ数:720頁
発刊年月:2024年5月刊
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