学内にたくさんある諸規程は、必ず、誰かの権限に基づいて作成されています。
寄附行為であれば、評議員会の意見聴取or決議+理事会決議(+所轄庁の認可)ですし、就業規則などの重要な規程は理事会決議のことが多いですね。
では、寄附行為施行細則はどうでしょう。
理事会決議事項にせんといかんとか、評議員会の意見聴取が必要だとか、私学法にそういったルールはありません。
ただ、寄附行為作成例では、新旧どちらにおいても、施行細則の制定は理事会決議で行う旨が定められています(旧47条、新78条)。
これに合わせて、寄附行為施行細則にも、次のような条文を置くことが一般的です。
(改廃)
第××条 この細則の改廃は、理事会の決議によって行う。
ところが、学校法人によっては、寄附行為施行細則の改廃権限が、理事会以外に属していることがあります。
「この規則の改廃は、理事会の決議を経て理事長が行う」「この規則の改廃は、常任理事会の決議によって行い、理事会に報告する」といった内容です。
「理事会の決議を経て理事長が行う」だと、理事長が改廃の拒否権を持つという解釈が可能ですし、「常任理事会の決議によって行い、理事会に報告する」だと、そもそも理事会決議が欠けています。
このような条文を施行細則に置いてしまい、実際にこのような手続きで施行細則の改正等を行うと、施行細則全体が法的に無効となりかねません。
学内規程を整備する際に、最後の方に置かれる改廃の条文は、他の規程からコピペしてしまいがちです。
が、実はとても大事な条文なので、寄附行為などの上位規程と矛盾が生じないように注意しなければなりません。
諸規程整備は、最後まで気を抜けないということですね。
ところで、先月後半ぐらいからこのブログの訪問者が急に増えたのですが、何かあったんですかね…?
昨日の『法律・法学』分野のブログランキングでは、なぜか2位になっていたようです。
執筆:弁護士 小國隆輔
<以下宣伝>
★実務 私立学校法★
著者:小國隆輔/著 定価8,800円税込
判型:A5判 ページ数:720頁
発刊年月:2024年5月刊
実務 私立学校法 [ 小國隆輔 ]
寄附行為であれば、評議員会の意見聴取or決議+理事会決議(+所轄庁の認可)ですし、就業規則などの重要な規程は理事会決議のことが多いですね。
では、寄附行為施行細則はどうでしょう。
理事会決議事項にせんといかんとか、評議員会の意見聴取が必要だとか、私学法にそういったルールはありません。
ただ、寄附行為作成例では、新旧どちらにおいても、施行細則の制定は理事会決議で行う旨が定められています(旧47条、新78条)。
これに合わせて、寄附行為施行細則にも、次のような条文を置くことが一般的です。
(改廃)
第××条 この細則の改廃は、理事会の決議によって行う。
ところが、学校法人によっては、寄附行為施行細則の改廃権限が、理事会以外に属していることがあります。
「この規則の改廃は、理事会の決議を経て理事長が行う」「この規則の改廃は、常任理事会の決議によって行い、理事会に報告する」といった内容です。
「理事会の決議を経て理事長が行う」だと、理事長が改廃の拒否権を持つという解釈が可能ですし、「常任理事会の決議によって行い、理事会に報告する」だと、そもそも理事会決議が欠けています。
このような条文を施行細則に置いてしまい、実際にこのような手続きで施行細則の改正等を行うと、施行細則全体が法的に無効となりかねません。
学内規程を整備する際に、最後の方に置かれる改廃の条文は、他の規程からコピペしてしまいがちです。
が、実はとても大事な条文なので、寄附行為などの上位規程と矛盾が生じないように注意しなければなりません。
諸規程整備は、最後まで気を抜けないということですね。
ところで、先月後半ぐらいからこのブログの訪問者が急に増えたのですが、何かあったんですかね…?
昨日の『法律・法学』分野のブログランキングでは、なぜか2位になっていたようです。
執筆:弁護士 小國隆輔
<以下宣伝>
★実務 私立学校法★
著者:小國隆輔/著 定価8,800円税込
判型:A5判 ページ数:720頁
発刊年月:2024年5月刊
実務 私立学校法 [ 小國隆輔 ]