毎日とても暑いですね。
北海道で40℃予報とか、いったいこの国はどうなってしまうのでしょうか。
そんなわけで、このブログの更新も滞りがちです。

さて、先日内部統制システムについて少し書きましたが、やっぱりイメージがわきにくいですよね。
そんなときは、ダメな例を並べてみるといいかもしれません。

学校法人では、こんな事例をよく見かけます。

①効率的に業務を遂行できる仕組み ができていない例
 ・日常の意思決定をするために、ものすごくたくさんの決裁が必要
  →極端な例として、ボールペン1本買うために稟議書を作ってるとか。
 ・イレギュラーな案件に対応する部署が決まっていない
  →行政から文書が届いたときに、担当部署がわからなくて放置してるとか。

②計算書類を正確に作ることができる仕組み ができていない例
 ・学級費、給食費、部活費、実習費などを現場の教員が集金・支出している
  →学校ではとても多い事例ですが、簿外債務や使途不明金の温床です。

③違法行為が起きないようにする仕組み ができていない例
 ・監事との連絡窓口になる職員が誰なのか、誰も知らない
  →実質的に監事監査ができないので、抑止力にならないですね。
 ・昔、ハラスメント防止規程を作った気がするが、今どこにあるかわからない
  →これもときどきあります。規程を作っても使わないと無意味です。

④法人財産が無駄遣いされないようにする仕組み ができていない例
 ・ずっと前から理事の知り合いの業者に発注している
  →金額や内容にもよりますが、相見積もりや入札を検討しましょう。
 ・株式等で資産運用しているが、モニタリングをする組織がない
  →投機取引で多額の損失を出した理事に、損害賠償を命じた裁判例があります。


こんなところですかね…。
他にもいろいろありそうですが、こういうのを一つ一つ潰していくことで、内部統制システムが少しずつブラッシュアップされていくのだろうと思います。


執筆:弁護士 小國隆輔


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