あんまり需要がないかもしれないなーと思いつつ、本日も育児介護休業法の改正のおさらいです。
今回の改正ではテレワークがいくつか出てきます。
関係する育児介護休業法の条文を貼り付けてみましょう。
まずは、令和7年4月1日施行分です。
(所定労働時間の短縮措置等)
第二十三条 事業主は、その雇用する労働者のうち、その三歳に満たない子を養育する労働者であって育児休業をしていないもの(一日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定めるものを除く。)に関して、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の申出に基づき所定労働時間を短縮することにより当該労働者が就業しつつその子を養育することを容易にするための措置(以下この条及び第二十四条第一項第三号において「育児のための所定労働時間の短縮措置」という。)を講じなければならない。ただし、当該事業主と当該労働者が雇用される事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者との書面による協定で、次に掲げる労働者のうち育児のための所定労働時間の短縮措置を講じないものとして定められた労働者に該当する労働者については、この限りでない。
一 当該事業主に引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者
二 前号に掲げるもののほか、育児のための所定労働時間の短縮措置を講じないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として厚生労働省令で定めるもの
三 前二号に掲げるもののほか、業務の性質又は業務の実施体制に照らして、育児のための所定労働時間の短縮措置を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者
2 事業主は、その雇用する労働者のうち、前項ただし書の規定により同項第三号に掲げる労働者であってその三歳に満たない子を養育するものについて育児のための所定労働時間の短縮措置を講じないこととするときは、当該労働者に関して、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の申出に基づく育児休業に関する制度に準ずる措置又は次の各号のいずれかに掲げる措置を講じなければならない。
一 労働者の申出に基づき、当該労働者が就業しつつその子を養育することを容易にするため、住居その他これに準ずるものとして労働契約又は労働協約、就業規則その他これらに準ずるもので定める場所における勤務(第二十四条第四項において「在宅勤務等」という。)をさせる措置(同条第二項において「在宅勤務等の措置」という。)
二 前号に掲げるもののほか、労働基準法第三十二条の三第一項の規定により労働させることその他の労働者の申出に基づく厚生労働省令で定める当該労働者が就業しつつその子を養育することを容易にするための措置(第二十四条第一項において「始業時刻変更等の措置」という。)
3~4 略
相変わらずの悪文ですね。
要するに、こういうことらしいです。
◇3歳未満の子どもを育てている労働者には、希望に応じて時短勤務を
させてあげなさい。
◇時短勤務が無理なら、育休に準じた措置、テレワーク、時差出勤の
どれかを認めてあげなさい。
これだけのことが、なぜこんなに長文の悪文になるのか…。
この国では不思議なことが多いです。
ちなみに、「育児のためのテレワーク」を厚労省が日本語に翻訳すると、「労働者が就業しつつその子を養育することを容易にするため、住居その他これに準ずるものとして労働契約又は労働協約、就業規則その他これらに準ずるもので定める場所における勤務」になるそうです。
むつかしいこと言わずに、「育児のためのテレワーク」って書いたらいいのに。
あと、令和7年4月1日施行分の改正では、3歳未満のお子さんを育てている労働者と、家族の介護をしている労働者について、テレワークを実施することが努力義務とされています。(法24条第2項~3項)
次に、令和7年10月1日施行分の改正にも、在宅勤務に関する条文があります。
(三歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者等に関する措置)
第二十三条の三 事業主は、その雇用する労働者のうち、その三歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育するものに関して、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の申出に基づく次に掲げる措置のうち二以上の措置を講じなければならない。
一 始業時刻変更等の措置であって厚生労働省令で定めるもの
二 在宅勤務等の措置
三 育児のための所定労働時間の短縮措置
四 労働者が就業しつつ当該子を養育することを容易にするための休暇(子の看護等休暇、介護休暇及び労働基準法第三十九条の規定による年次有給休暇として与えられるものを除く。)を与えるための措置
五 前各号に掲げるもののほか、労働者が就業しつつ当該子を養育することを容易にするための措置として厚生労働省令で定めるもの
2 前項の規定により事業主が同項第四号に掲げる措置を講じたときは、同号に規定する休暇は、一日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定めるもの以外の者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働省令で定める一日未満の単位で取得することができる。
3 第一項の規定(第三号に掲げる労働者にあっては、同項第四号に係る部分に限る。以下この項において同じ。)は、当該事業主と当該労働者が雇用される事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者との書面による協定で、次に掲げる労働者のうち第一項の規定による措置を講じないものとして定められた労働者に該当する労働者については、これを適用しない。
一 当該事業主に引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者
二 前号に掲げるもののほか、第一項に掲げる措置を講じないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として厚生労働省令で定めるもの
三 業務の性質又は業務の実施体制に照らして、前項の厚生労働省令で定める一日未満の単位で第一項第四号に規定する休暇を取得することが困難と認められる業務に従事する労働者(前項の規定により同項の厚生労働省令で定める一日未満の単位で取得しようとする者に限る。)
4 事業主は、第一項の規定による措置を講じようとするときは、あらかじめ、当該事業所に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
5 事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、三歳に満たない子を養育する労働者に対して、当該労働者が第一項の規定により当該事業主が講じた措置(以下この項及び第七項において「対象措置」という。)のいずれを選択するか判断するために適切なものとして厚生労働省令で定める期間内に、対象措置その他の厚生労働省令で定める事項を知らせるとともに、対象措置に係る申出に係る当該労働者の意向を確認するための面談その他の厚生労働省令で定める措置を講じなければならない。
6 第二十一条第二項及び第三項の規定は、前項の厚生労働省令で定める措置を講ずる場合について準用する。この場合において、同条第二項中「同項の規定による申出」とあるのは「第二十三条の三第五項に規定する対象措置」と、「当該申出をした」とあるのは「当該対象措置の対象となる」と、「当該子の出生の日以後に発生し」とあるのは「発生し」と読み替えるものとする。
7 事業主は、労働者が対象措置に係る申出をし、若しくは第一項の規定により当該労働者に措置が講じられたこと又は前項において準用する第二十一条第二項の規定により確認された意向の内容を理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
すごいですね。
果たして、国民に読んでもらう気があるのかないのか…。
ざっくり言うと、こういうことが定められています。
◇対象者:
3歳~小学校入学前の子どもを養育する者
◇内容:
過半数代表者の意見を聴いて、次の中から2つ以上を実施しなければ
ならない
・始業時刻等の変更
・テレワーク(月10日、1時間単位で利用可)
・短時間勤務制度(原則として1日6時間勤務に短縮するもの)
・新たな休暇の付与(年10日、1時間単位で利用可)
・保育施設の設置運営
やたらと条文を貼り付けて、長くなってしまいました…
厚労省の規程のひな形は、また機会があれば貼り付けます。
執筆:弁護士 小國隆輔
<以下宣伝>
★実務 私立学校法★
著者:小國隆輔/著 定価8,800円税込
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発刊年月:2024年5月刊
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実務 私立学校法 [ 小國隆輔 ]
今回の改正ではテレワークがいくつか出てきます。
関係する育児介護休業法の条文を貼り付けてみましょう。
まずは、令和7年4月1日施行分です。
(所定労働時間の短縮措置等)
第二十三条 事業主は、その雇用する労働者のうち、その三歳に満たない子を養育する労働者であって育児休業をしていないもの(一日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定めるものを除く。)に関して、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の申出に基づき所定労働時間を短縮することにより当該労働者が就業しつつその子を養育することを容易にするための措置(以下この条及び第二十四条第一項第三号において「育児のための所定労働時間の短縮措置」という。)を講じなければならない。ただし、当該事業主と当該労働者が雇用される事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者との書面による協定で、次に掲げる労働者のうち育児のための所定労働時間の短縮措置を講じないものとして定められた労働者に該当する労働者については、この限りでない。
一 当該事業主に引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者
二 前号に掲げるもののほか、育児のための所定労働時間の短縮措置を講じないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として厚生労働省令で定めるもの
三 前二号に掲げるもののほか、業務の性質又は業務の実施体制に照らして、育児のための所定労働時間の短縮措置を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者
2 事業主は、その雇用する労働者のうち、前項ただし書の規定により同項第三号に掲げる労働者であってその三歳に満たない子を養育するものについて育児のための所定労働時間の短縮措置を講じないこととするときは、当該労働者に関して、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の申出に基づく育児休業に関する制度に準ずる措置又は次の各号のいずれかに掲げる措置を講じなければならない。
一 労働者の申出に基づき、当該労働者が就業しつつその子を養育することを容易にするため、住居その他これに準ずるものとして労働契約又は労働協約、就業規則その他これらに準ずるもので定める場所における勤務(第二十四条第四項において「在宅勤務等」という。)をさせる措置(同条第二項において「在宅勤務等の措置」という。)
二 前号に掲げるもののほか、労働基準法第三十二条の三第一項の規定により労働させることその他の労働者の申出に基づく厚生労働省令で定める当該労働者が就業しつつその子を養育することを容易にするための措置(第二十四条第一項において「始業時刻変更等の措置」という。)
3~4 略
相変わらずの悪文ですね。
要するに、こういうことらしいです。
◇3歳未満の子どもを育てている労働者には、希望に応じて時短勤務を
させてあげなさい。
◇時短勤務が無理なら、育休に準じた措置、テレワーク、時差出勤の
どれかを認めてあげなさい。
これだけのことが、なぜこんなに長文の悪文になるのか…。
この国では不思議なことが多いです。
ちなみに、「育児のためのテレワーク」を厚労省が日本語に翻訳すると、「労働者が就業しつつその子を養育することを容易にするため、住居その他これに準ずるものとして労働契約又は労働協約、就業規則その他これらに準ずるもので定める場所における勤務」になるそうです。
むつかしいこと言わずに、「育児のためのテレワーク」って書いたらいいのに。
あと、令和7年4月1日施行分の改正では、3歳未満のお子さんを育てている労働者と、家族の介護をしている労働者について、テレワークを実施することが努力義務とされています。(法24条第2項~3項)
次に、令和7年10月1日施行分の改正にも、在宅勤務に関する条文があります。
(三歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者等に関する措置)
第二十三条の三 事業主は、その雇用する労働者のうち、その三歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育するものに関して、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の申出に基づく次に掲げる措置のうち二以上の措置を講じなければならない。
一 始業時刻変更等の措置であって厚生労働省令で定めるもの
二 在宅勤務等の措置
三 育児のための所定労働時間の短縮措置
四 労働者が就業しつつ当該子を養育することを容易にするための休暇(子の看護等休暇、介護休暇及び労働基準法第三十九条の規定による年次有給休暇として与えられるものを除く。)を与えるための措置
五 前各号に掲げるもののほか、労働者が就業しつつ当該子を養育することを容易にするための措置として厚生労働省令で定めるもの
2 前項の規定により事業主が同項第四号に掲げる措置を講じたときは、同号に規定する休暇は、一日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定めるもの以外の者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働省令で定める一日未満の単位で取得することができる。
3 第一項の規定(第三号に掲げる労働者にあっては、同項第四号に係る部分に限る。以下この項において同じ。)は、当該事業主と当該労働者が雇用される事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者との書面による協定で、次に掲げる労働者のうち第一項の規定による措置を講じないものとして定められた労働者に該当する労働者については、これを適用しない。
一 当該事業主に引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者
二 前号に掲げるもののほか、第一項に掲げる措置を講じないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として厚生労働省令で定めるもの
三 業務の性質又は業務の実施体制に照らして、前項の厚生労働省令で定める一日未満の単位で第一項第四号に規定する休暇を取得することが困難と認められる業務に従事する労働者(前項の規定により同項の厚生労働省令で定める一日未満の単位で取得しようとする者に限る。)
4 事業主は、第一項の規定による措置を講じようとするときは、あらかじめ、当該事業所に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
5 事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、三歳に満たない子を養育する労働者に対して、当該労働者が第一項の規定により当該事業主が講じた措置(以下この項及び第七項において「対象措置」という。)のいずれを選択するか判断するために適切なものとして厚生労働省令で定める期間内に、対象措置その他の厚生労働省令で定める事項を知らせるとともに、対象措置に係る申出に係る当該労働者の意向を確認するための面談その他の厚生労働省令で定める措置を講じなければならない。
6 第二十一条第二項及び第三項の規定は、前項の厚生労働省令で定める措置を講ずる場合について準用する。この場合において、同条第二項中「同項の規定による申出」とあるのは「第二十三条の三第五項に規定する対象措置」と、「当該申出をした」とあるのは「当該対象措置の対象となる」と、「当該子の出生の日以後に発生し」とあるのは「発生し」と読み替えるものとする。
7 事業主は、労働者が対象措置に係る申出をし、若しくは第一項の規定により当該労働者に措置が講じられたこと又は前項において準用する第二十一条第二項の規定により確認された意向の内容を理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
すごいですね。
果たして、国民に読んでもらう気があるのかないのか…。
ざっくり言うと、こういうことが定められています。
◇対象者:
3歳~小学校入学前の子どもを養育する者
◇内容:
過半数代表者の意見を聴いて、次の中から2つ以上を実施しなければ
ならない
・始業時刻等の変更
・テレワーク(月10日、1時間単位で利用可)
・短時間勤務制度(原則として1日6時間勤務に短縮するもの)
・新たな休暇の付与(年10日、1時間単位で利用可)
・保育施設の設置運営
やたらと条文を貼り付けて、長くなってしまいました…
厚労省の規程のひな形は、また機会があれば貼り付けます。
執筆:弁護士 小國隆輔
<以下宣伝>
★実務 私立学校法★
著者:小國隆輔/著 定価8,800円税込
判型:A5判 ページ数:720頁
発刊年月:2024年5月刊
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実務 私立学校法 [ 小國隆輔 ]